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御嶽山のヘルメット選び2026|活火山でハードシェル型が向く理由と4モデル比較

アイキャッチ画像はAI生成画像を使用しています。

9月に御嶽山・黒沢口からの登頂を計画している。PEAK NOTESの3座目だ。

御嶽山は活火山である。山頂周辺には、噴石と落石のリスクが常にある。

ヘルメットを一つ用意する必要があった。ただ、登山用ヘルメットには「ハードシェル型」と「フォーム型」があり、性格が大きく異なる。活火山でどちらを選ぶべきか。規格の読み方と、ハードシェル型4モデルの重量・価格・頭囲を整理した。

この記事について

  • 御嶽山(黒沢口ルート)の登山を計画していて、ヘルメットの要否と選び方を知りたい人
  • 「ハードシェル型」と「フォーム型」の違いが分からず、どちらを買うか迷っている人
  • 火山・岩稜帯で使えるヘルメットを、重量・価格・頭囲で比較して選びたい人

扱うのは、御嶽山でヘルメットが求められる背景、ハードシェル型が向く理由、安全規格(EN12492/UIAA106)の読み方、そしてハードシェル型4モデルの比較だ。

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御嶽山でヘルメットが求められる理由

御嶽山は、標高3,067mの活火山だ。2014年9月の噴火では、山頂付近にいた登山者が噴石によって被害を受けた。この山の山頂周辺は、火山特有の噴石と、ザレた斜面からの落石という二つのリスクを抱えている。

2025年5月20日に噴火警戒レベルは2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)へ引き下げられ、同年7月1日からは黒沢口登山道から剣ヶ峰までの登山が可能になった。

2026年シーズンも同様の扱いが続いている。黒沢口は7月1日8時から10月14日正午まで、黒沢十字路から剣ヶ峰頂上までの登山道が通行可(八合目女人堂〜三ノ池ルートは通行不可)。王滝口は7月10日9時から10月14日正午まで、田の原から王滝頂上を経て剣ヶ峰まで通行できる。私が計画している9月の黒沢口ルートは、この期間に収まる。

ヘルメットの位置づけは、正確に理解しておきたい。

法律上は「義務」ではなく「努力義務」だ。 活動火山対策特別措置法では、ヘルメットを含む必要な装備の携帯が、活火山を登山する者の努力義務とされている。加えて長野県山岳遭難防止対策協会は、御嶽山を「山岳ヘルメット着用奨励山域」の活火山枠に指定している(平成25年指定、令和5年改正)。

つまり、罰則を伴う強制ではない。だが、噴石・落石の環境で「自分の命は自分で守る」ための、強く奨励された装備という位置づけになる。忘れた場合のレンタルも整備されていて、長野県は御嶽山の貸出先として二の池ヒュッテとやまテラス王滝を挙げている。黒沢口を歩くなら、登山口手前のおんたけロープウェイ山麓駅売店でも借りられる。それだけ着用が前提として扱われている、ということだ。

  • おんたけロープウェイ 山麓駅売店:黒沢口の動線上。料金は公表されていないため要問い合わせ
  • 二の池ヒュッテ:山中の山小屋。登山口から着用したいなら、ここを当てにする使い方は現実的でない
  • やまテラス王滝:王滝口・田の原。身分証の提示と現金2,000円。黒沢口からは動線が離れる

なお、御嶽山は登山計画書の提出が義務だ。こちらは努力義務ではない。長野県登山安全条例(2016年7月1日施行)の指定登山道にあたり、黒沢口の各登山口から入山する場合も提出が必要になる。

※立入規制・レンタル・営業期間の条件は変更され得る。最新情報は木曽町・王滝村・長野県の公式ページで確認してほしい(出典は記事末尾に記載)。

なぜ「ハードシェル型」を選ぶのか

登山用ヘルメットは、構造で大きく二つに分かれる。

タイプ 構造 強み 弱み
ハードシェル型 ABS等の硬い外殻+発泡ライナー 耐貫通・耐擦過に強い。鋭利な落石・岩角を面で受け流す やや重い(300〜360g前後)
フォーム型(インモールド) 薄いポリカ外皮+厚い発泡体 軽量(150〜250g前後)・通気性が高い 外殻が薄く、鋭利な貫通・擦過には不利。一度の強い衝撃で割れやすい

フォーム型は軽くて涼しい。クライミングでの上方からの落石衝撃を、発泡体でうまく吸収する設計だ。だが外殻が薄いため、尖った噴石や岩の角が当たったときの「貫通・擦過」に対しては、ハードシェル型に分が悪い。

御嶽山で想定されるのは、火山噴石とザレ場の落石だ。角のある石が、面ではなく点で当たる場面がある。硬いABS外殻で受け、力を面に分散させて滑らせる——この耐貫通性が、火山と岩稜帯でハードシェル型を選ぶ理由になる。

数十グラムの重量差よりも、外殻の硬さを優先する。それが、この山に対する私の判断だ。

安全規格の読み方(EN12492/UIAA106)

ヘルメットを選ぶとき、必ず確認したいのが安全規格だ。登山用ヘルメットには、主に二つの規格表示がある。

  • CE EN12492:登山用ヘルメットの欧州規格。上方・前方・後方・側方からの衝撃吸収、外殻の耐貫通性、あご紐の強度などを規定する。現行版は2025年に改訂された(EN 12492:2025)
  • UIAA106:国際山岳連盟(UIAA)の規格。EN12492を土台に、より厳しい合格ラインを上乗せする。現行は第4版(2025年9月発行・2026年1月発効)で、EN 12492:2025がベースになっている

両者の実質的な差は、衝撃吸収試験の合格ラインにある。試験の手順——落とす重りの重さ、高さ、当てる位置——は同じだ。違うのは、頭部に伝わってよい力の上限。ENが10kN以下であるのに対し、UIAA106は上方・前方・側方・後方のいずれについても8kN以下を求める。同じ試験を、2割厳しい基準で通っているのがUIAA106表示のヘルメットだ。

なお、製品や公式サイトの表記は「UIAA106」だったり単に「UIAA」だったりする。ヘルメットに対応するUIAA規格は106番しかないため、両者は同じ意味だ。表記の違いで優劣を判断しなくていい。

自転車用ヘルメットや工事用ヘルメットは、この規格を満たしていない。登山で使うなら、EN12492(できればUIAA106も)の表示があるモデルを選ぶ。以下で紹介する4モデルは、いずれもEN12492に適合したハードシェル型だ。

ハードシェル型 4モデル比較

御嶽山を想定して、耐貫通性のあるハードシェル(ABS外殻)型を4モデル選んだ。いずれも登山用の規格に適合している。

モデル 重量(公称) 外殻/ライナー 規格 対応頭囲 実売参考
ペツル ボレオ 300g(S/M)/330g(M/L) ABS外殻+EPP・EPS EN12492・UIAA106 S/M 48–58cm/M/L 53–61cm 約9,900円
ブラックダイヤモンド ハーフドーム 340g(S/M)/356g(M/L) ABS外殻+EPS EN12492・UIAA106 S/M 53–59cm/M/L 58–63cm 約8,400〜9,300円
グリベル サラマンダー2.0 360g ABS外殻+EPS EN12492・UIAA106 54–61cm(フリーサイズ) 約11,800〜13,200円
マムート スカイウォーカー3.0 330g ABS外殻+EPP・EPS EN12492のみ 53–61cm 約8,000円

※規格欄は表記を「UIAA106」に統一した。各社の公式表記はペツル「CE EN 12492, UKCA, UIAA」、ブラックダイヤモンド「CE/EN, UIAA」、グリベル「CE EN 12492 / UIAA 106」と揺れるが、意味は同じだ。マムートだけはUIAAを掲げておらず、公式の認証表記はCE EN 12492のみ——ここは表記の揺れではなく、実際の違いになる。

※実売参考は2026年8月1日時点のAmazon.co.jp価格を基準にした目安。輸入ギアの価格は為替・在庫で変動するため、購入時に最新価格を確認してほしい。

以下、各モデルの性格を整理する。

ペツル ボレオ(Petzl Boreo)

厚みのあるABS外殻に、EPPとEPSの二層フォームライナーを組み合わせたハイブリッド構造。ペツルのラインナップの中でも、耐久性と保護性能を重視したモデルだ。上方に加えて側方・前方・後方の保護がうたわれており(TOP AND SIDE PROTECTION)、火山地形や岩稜帯での落石・噴石を想定したときに安心感がある。

S/Mで300g、M/Lで330gと、ハードシェル型としては軽い部類に入る。頭囲の対応幅が広く(S/M 48–58cm、M/L 53–61cm)、日本人の頭に合わせやすいのも選びやすさにつながる。耐貫通性・軽さ・価格・入手性のバランスがよく、御嶽山向けの一本目として私はこれを主役に据える。

[ペツル] ヘルメット ボレオ オレンジ M/L A042VA05

ブラックダイヤモンド ハーフドーム(Black Diamond Half Dome)

ABS外殻とEPSフォームを組み合わせた、ハードシェル型の定番。ローポジションのサスペンションと片手で回せるダイヤル調整、ヘッドランプクリップを備える。長く売られ続けてきたモデルで、岩場からアルパインまで幅広く使える汎用性が持ち味だ。

注目したいのは対応頭囲だ。BD公式のサイズチャートはS/M 53–59cm、M/L 58–63cm。今回の4モデルの中で最も大きな頭囲をカバーする。他社の上限が61cm前後で止まるなか、63cmまで対応するのはこのM/Lだけだ。頭囲が大きくて他モデルが入りにくい人は、まずここを見るといい。

重量は340g(S/M)/356g(M/L)。今回の4モデルの中ではやや重い部類だが、その分、外殻とフォームの厚みによる保護感がある。手に取れる店舗が多く、フィッティングを試しやすい点も選択理由になる。

※国内の販売ページでは重量330g/350g、頭囲50–58cm/56–63cmといった旧仕様の数値が残っていることがある。本記事はBD公式の現行値を採った。

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ハーフドーム BD12012 レイン M/L

グリベル サラマンダー2.0(Grivel Salamander 2.0)

ABS外殻とEPSライナーによる、クラシックなハードシェル型。アルパイン・ロック・アイスまで想定した設計で、堅牢さに振っている。

360gと4モデル中で最も重く、実売も約11,800円からと最も高い。数字だけを並べると分が悪い。それでも候補に残るのは、国内向けに「ジャパンフィット」版(型番GV-HESAL2)が用意されているからだ。「西洋人に比べて丸い形状の日本人の頭に合うように、内側の幅と深さをデザインしました」とうたう仕様で、希望小売価格12,100円。欧州ブランドのヘルメットが後頭部で浮く、側頭部が当たるという人にとっては、これが決め手になり得る。

対応頭囲はフリーサイズで54–61cm。かつて「頭が大きい人向け」として紹介されることがあったが、上限61cmはボレオM/Lやスカイウォーカー3.0と同じであり、大きめの頭に対する優位性はない。そこを期待して選ぶ理由にはならない。

※下記リンクは通常版(並行輸入品・360g/54–61cm)で、ジャパンフィットではない。ジャパンフィット版は型番GV-HESAL2として別に流通しており、購入時は商品名の「ジャパンフィット」表記で見分けてほしい。なお同版の重量・頭囲は販売店により352〜360g/54–61cmまたは55–61cmと表記が分かれる。

Grivel (グリベル) Salamander 2.0 (サラマンダーヘルメット) ブラック [並行輸入品]

マムート スカイウォーカー3.0(Mammut Skywalker 3.0)

ABS外殻に、EPPとEPSを組み合わせたフォームを内蔵したハードシェル型。前方から側方、後方までフォームが行き渡っており、広い範囲の衝撃に備える。ダイヤル式の無段階調整で、53–61cmの頭囲に対応する。

公称330gと、ハードシェル型としては軽い。実売も約8,000円と4モデルで最も安く、コストを抑えつつハードシェルを選びたい場合の第一候補になる。

ただし、マムート公式が掲げる認証はCE EN 12492のみで、UIAA106の表示はない。EN12492に適合している以上、登山用ヘルメットとしての要件は満たしている。上乗せ基準まで求めるかどうかで判断が分かれる一本だ。

[MAMMUT] スカイウォーカー3.0 ヘルメット Skywalker 3.0 Helmet 2030-00300 5018 クライミング ヘルメット

選び方——重量差より「フィット」で選ぶ

4モデルの重量差は、最も軽いペツル ボレオ(S/M 300g)と最も重いグリベル サラマンダー2.0(360g)で60g。これは水を60ml多く持つのと同じくらいの差だ。行動中に頭で感じる差は小さい。

だから、ハードシェル型の中では重量より「頭に合うか」で選ぶのが実際的だと考えている。

  • 頭囲を測る:メジャーで眉上・後頭部の最も出た部分を通して周長を測る。各モデルの対応頭囲と照らす
  • 可能なら店頭で試着する:ダイヤルを締めたときの当たり、前後の安定、あご紐の位置は個人差が大きい。ヘルメットは店頭でのサイズ合わせが推奨される
  • ヘッドランプクリップと換気を確認する:4モデルとも前面にヘッドランプクリップを備える。夏場の行動では通気孔の数も快適性に効く
  • 頭囲が61cmを超える人:対応頭囲63cmまでのブラックダイヤモンド ハーフドームM/Lが実質的な選択肢になる
  • 欧州モデルが頭に合わない人:グリベル サラマンダー2.0のジャパンフィット版(型番GV-HESAL2)を試す価値がある。通常版とは別商品なので、型番で確認する

御嶽山まで残り時間があるうちに、サイズを確定させておきたい。

まとめ

御嶽山は活火山だ。山頂周辺の噴石・落石に対して、ヘルメットの着用が強く奨励されている(法律上は努力義務、長野県山岳遭難防止対策協会の着用奨励山域)。あわせて、登山計画書の提出は条例上の義務である点も忘れないでおきたい。

そのヘルメットを選ぶなら、耐貫通性に優れたハードシェル型(ABS外殻)が火山地形に向く。フォーム型の軽さより、硬い外殻で鋭利な衝撃を受け流す性能を優先する。

モデル 向いている人
ペツル ボレオ ◎ バランス重視の一本目。軽さ・価格・入手性が揃う
ブラックダイヤモンド ハーフドーム ○ 頭囲が大きめ(〜63cm)の人。店頭で試しやすい定番
グリベル サラマンダー2.0 ○ 欧州モデルが頭に合わない人(ジャパンフィット版あり)
マムート スカイウォーカー3.0 ○ ハードシェルをコスト重視で選びたい人(UIAA106表示なし)

いずれもEN12492に適合したハードシェル型だ。最後は重量差より、自分の頭に合うかで決める。購入後は、御嶽山の本番前に一度かぶって歩き、あご紐とダイヤルの位置を体になじませておきたい。

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御嶽山のルート・アクセスの全体像はこちらで整理している。

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※スペック・価格の出典(いずれも2026年8月1日確認):

Petzl BOREO 公式

Black Diamond Half Dome 公式

Grivel Salamander 2.0 公式

Mammut Skywalker 3.0 公式

UIAA 106 Fourth Edition, September 2025(2026年1月発効)

木曽町 御嶽山立ち入り規制の情報について

王滝村 御嶽山に関する情報

長野県 山岳ヘルメット着用奨励山域について

おんたけロープウェイ 御嶽山立入規制緩和について

長野県登山安全条例


ではでは。

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