8月に仙丈ヶ岳の登頂を計画している。PEAK NOTESの2座目だ。北沢峠を起点に、小仙丈尾根コースで山頂を目指す。
ルートを決めるにあたり、まずアクセス手段の整理が必要だった。仙丈ヶ岳(3,033m)の登山口・北沢峠(2,032m)には、一般車が入れない。バスのみが唯一の手段だ。さらに、山梨側からのアクセスは2019年の台風19号以降、林道崩落により全面通行止めが続いており、2026年も復旧の目途は立っていない。
つまり現状、北沢峠に入れるのは長野県伊那市側の戸台パーク発バス(南アルプス クイーンライン)の一択になる。この記事では、戸台パーク発バスの2026年運行情報と、小仙丈尾根コースの詳細、北沢峠周辺の山小屋情報を整理する。
- この記事について
- 仙丈ヶ岳 基本情報
- アクセス
- 南アルプス林道バス(クイーンライン)
- 小仙丈尾根コース 詳細
- 北沢峠周辺の山小屋
- 行程・費用概算
- 事前チェックリスト
- まとめ
- 関連記事
- Instagram|写真と舞台裏
この記事について
対象読者: 仙丈ヶ岳・小仙丈尾根コースでの登頂を計画している人。北沢峠アクセスを初めて調べる人、戸台パーク発バスの時刻・料金を確認したい人を含む。
扱う内容: - 山梨側林道の通行止め継続状況 - 戸台パーク発・南アルプス林道バス(クイーンライン)の2026年運行情報 - 小仙丈尾根コースの詳細とコースタイム目安 - 北沢峠周辺の山小屋情報(長衛小屋・仙丈小屋)
仙丈ヶ岳 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 3,033m |
| 所在地 | 長野県伊那市 / 山梨県南アルプス市 |
| 山域 | 南アルプス(赤石山脈) |
| 日本百名山 | 該当 |
| 主な登山口 | 北沢峠(2,032m) |
| 登山シーズン目安 | 7月上旬〜10月中旬(※年次積雪状況による) |
「南アルプスの女王」と呼ばれる山だ。山頂周辺にはカール地形が3つ連なり、その山容は他の3,000m峰とは異なる穏やかさを持つ。北沢峠を挟んで向かいにある甲斐駒ヶ岳と組み合わせ、1泊2日の縦走プランとして計画する登山者も多い。
アクセス

マイカーでのアクセスの場合
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駐車場 | 戸台パーク |
| 戸台パーク〜北沢峠 | バス移動(南アルプス クイーンライン) |
| 登山口 | 北沢峠 (ここから登山開始) |
北沢峠への林道は、長野側と山梨側の2方向がある。しかし2026年現在、山梨側は通行止めが継続しており、実質的に長野県伊那市側からのアクセスのみになる。
山梨側(広河原〜北沢峠)の通行止め
山梨県営林道南アルプス線は、令和元年(2019年)10月12日の台風19号によって甚大な被害を受けた。広河原〜北沢峠間は林道崩落により全面通行止め(歩行を含む)となっており、2026年現在も復旧の目途は立っていない。
これに伴い、南アルプス市営バス(広河原〜北沢峠便)も運行を休止している。山梨側から仙丈ヶ岳へ向かう経路は、現在使えない。
なお、山梨側の登山バス(甲府・芦安〜広河原、奈良田〜広河原)は2026年6月26日(金)〜11月3日(火・祝)に運行されるが、これは広河原から北岳方面へ向かうルートで、北沢峠へは接続しない。
山梨側からのアクセスを検討している場合、現状では北沢峠に入れない。長野側を選択する必要がある。
長野側(戸台パーク〜北沢峠)が唯一の入口
長野県伊那市側からは、戸台パークを起点とする南アルプス林道バス(南アルプス クイーンライン)が運行している。一般車は林道に入れないため、戸台パークに駐車してバスに乗り換える形になる。
南アルプス林道バス(クイーンライン)
最寄りの駐車場
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 戸台パーク |
| 収容台数 | 約600台(普通自動車専用) |
| 料金 | 5日以内1,000円(以降5日ごとに1,000円追加) |
| 支払い | 現金のみ・後払い(出庫時に係員または営業所窓口で支払い) |
| 入出庫 | 24時間可能 |
| アクセス | 中央道・伊那ICまたは小黒川スマートインターから約40分 |
駒ヶ根ICから県道49号線経由のルートは道幅が狭い箇所があるため、伊那市街地から高遠町経由が推奨されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 路線名 | 南アルプス クイーンライン(北沢峠線) |
| 乗車地 | 戸台パーク(長野県伊那市長谷) |
| 終点 | 北沢峠 |
| 所要時間 | 約55分 |
| 運営 | 南アルプス林道バス営業所(0265-98-2821) |
2026年運行期間
| 期間 | 区間 |
|---|---|
| 4月25日〜5月31日 | 戸台口 〜 歌宿(途中折返し) |
| 6月1日〜11月3日 | 戸台口 〜 北沢峠(通常運行) |
シーズン前半は積雪のため歌宿止まりとなる。仙丈ヶ岳登山口の北沢峠まで入れるのは6月1日以降だ。
始発・最終便(2026年)
| 方向 | 始発 | 最終便 |
|---|---|---|
| 上り(戸台口 → 北沢峠方面) | 5:45 戸台口発 | 14:15 戸台口発 |
| 下り(北沢峠 → 戸台口方面) | 7:30 北沢峠発 | 16:00 北沢峠発 |
日帰りで小仙丈尾根を登る場合、下りの最終便(16:00 北沢峠発)の時刻が行動の上限になる。逆算した出発時刻の設定が必要だ。
料金(2026年・大人片道)
| 区間 | 料金 |
|---|---|
| 戸台パーク 〜 北沢峠 | 1,150円 |
| 戸台口 〜 北沢峠 | 1,240円 |
| 戸台口 〜 歌宿 | 950円 |
手荷物料金: 18リットル以上のザックは別途手回り品料金(1個220円)がかかる。 支払い方法: 券売機購入。クレジットカード・電子マネー・コード決済対応。
乗車券販売は始発の約30分前から17:00まで。詳細な時刻表は伊那市公式サイトで確認すること。
小仙丈尾根コース 詳細
北沢峠から尾根を直接登り、小仙丈ヶ岳(2,864m)を経由して仙丈ヶ岳山頂(3,033m)に至るコースだ。仙丈ヶ岳のメインルートであり、ルートが明瞭で稜線歩きの区間が長い。天候が良ければ、北岳・甲斐駒ヶ岳・富士山方面への眺望が開ける。
コース概要(北沢峠起点・周回)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 距離 | 約8.9km(周回) |
| 累積標高差 | 上り約1,124m / 下り約1,127m |
| 標準コースタイム | 約6時間55分 |
| 難易度(YAMAP基準) | きつい |
| ベストシーズン | 高山植物の咲く夏のはじめ |
※距離・標高差・コースタイムはYAMAPモデルコースを参考にした目安値。体力・天候・残雪状況により大きく異なる。
区間別コースタイム目安(登り)
| 区間 | 所要時間(目安) |
|---|---|
| 北沢峠 → 大滝ノ頭(五合目) | 約1時間〜1時間20分 |
| 大滝ノ頭 → 小仙丈ヶ岳(2,864m) | 約1時間〜1時間20分 |
| 小仙丈ヶ岳 → 仙丈ヶ岳山頂(3,033m) | 約40分〜1時間 |
| 登り合計(北沢峠 → 山頂) | 約3時間〜3時間40分 |
区間別コースタイム目安(下り・同ルート)
| 区間 | 所要時間(目安) |
|---|---|
| 仙丈ヶ岳山頂 → 小仙丈ヶ岳 | 約30分〜45分 |
| 小仙丈ヶ岳 → 大滝ノ頭 | 約45分〜1時間 |
| 大滝ノ頭 → 北沢峠 | 約45分〜1時間 |
| 下り合計(山頂 → 北沢峠) | 約2時間30分〜3時間 |
コースの特徴
前半:北沢峠 → 大滝ノ頭(五合目) 樹林帯を緩やかに登る区間。展望は乏しいが、足元は歩きやすく整備されている。ここで体を慣らす。
中盤:大滝ノ頭 → 小仙丈ヶ岳 徐々に森林限界を抜け、ハイマツ帯に入る。小仙丈ヶ岳に近づくと一気に視界が開け、背後に甲斐駒ヶ岳、振り返れば富士山と北岳が見える。眺望の良い区間だ。
後半:小仙丈ヶ岳 → 仙丈ヶ岳山頂 小仙丈カールを左手に見ながら稜線を辿る区間。痩せ尾根や岩稜の通過があるため、強風時・濃霧時は慎重に。山頂直下で仙丈小屋への分岐を分け、山頂へ。
北沢峠周辺の山小屋
長衛小屋
北沢峠から徒歩約5分。北沢の右岸に位置する山小屋で、日帰り登山の予備プラン、または前泊・後泊の拠点として使える。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 1,980m |
| 営業期間(2026年) | GW営業:4月25日〜5月5日(素泊まり営業)/通常営業:6月13日〜11月2日 |
| 小屋泊料金 | 大人 6,800円/泊(素泊まり) |
| 食事 | 夕食 2,000円・朝食 1,300円 |
| 予約方法 | 小屋泊は電話予約のみ(完全予約制・4月1日9時から受付開始) |
| 連絡先(営業期間外) | 090-8485-2967(9:00〜17:00) |
| 連絡先(営業期間中) | 090-2227-0360(衛星電話・7:00〜19:00) |
長衛小屋キャンプ場(テント場)
長衛小屋に併設されたテント場で、北沢峠周辺で唯一の幕営地だ。予約不要・先着順で運用されており、テント泊で仙丈ヶ岳を狙う場合の必須拠点になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 1,980m |
| 営業期間(2026年) | 6月1日〜 |
| 料金 | 大人 1,000円/泊・子供 500円/泊・未就学児 無料 |
| 予約 | 不要(先着順・現地受付) |
| 水場 | あり(沢水利用・煮沸推奨) |
| トイレ | あり(長衛小屋の共用施設を利用) |
| 受付場所 | 長衛小屋(テント設営前に受付) |
幕営拠点としての利点: - 予約不要で計画変更に柔軟(天候判断で前後にずらせる) - 北沢峠バス停から最も近い幕営地(徒歩約5分) - 翌朝の早出が容易で、小仙丈尾根の山頂アタックに有利 - 小屋泊(素泊まり6,800円)と比較してコストは約1/7
運用上の注意: - ハイシーズン(7〜8月の週末・お盆期間)は混雑する。下山者が動く午前中〜昼着が望ましい - 標高1,980mでも夜間は冷え込む。シュラフは3シーズン対応以上を推奨 - 沢沿いのため夜露・湿気が多い。フライシート・グランドシートは必須 - 水場の沢水は煮沸または浄水処理してから使用する - ゴミは全て持ち帰り。直火不可(ストーブ使用時も周辺の状況に配慮)
仙丈小屋
仙丈ヶ岳山頂直下、稜線上に位置する山小屋。小仙丈尾根コースを登りきった山頂付近で立ち寄れる。水場あり。1泊2日プラン(山頂で日の出を狙う等)の拠点になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業期間 | 6月12日〜10月11日(2026年予定) |
| 1泊素泊まり | 9,000円〜(税込) |
| 1泊2食付 | 13,000円〜(税込) |
| 予約(電話) | 090-1883-3033(期間中9:00〜15:00) |
※営業期間外の問い合わせは 0265-94-6001
馬の背ヒュッテ(参考)
藪沢コース上、標高2,630mに位置する山小屋。小仙丈尾根コース単独の山行では立ち寄らないが、下山ルートを藪沢に変更する場合の選択肢になる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 標高 | 2,630m |
| 料金(2025年実績) | 素泊まり 9,200円〜/1泊2食付 13,200円〜 |
| 予約方法 | Web予約(Yamatan)、電話 090-2503-2630(8:00〜20:00) |
| 営業期間 | 7月1日〜10月13日(2026年予定) |
※2026年は公式サイトで要確認
行程・費用概算
行程
前泊パターン(長衛小屋テント場 )
| 日 | 時刻 | 行動 |
|---|---|---|
| 前泊日 | 午前〜昼 | 出発・戸台パーク へ移動 |
| 前泊日 | 14:00頃 | 戸台パーク 着・駐車(1,000円/5日)・バス乗車(北沢峠行き) |
| 前泊日 | 15:00頃 | 北沢峠 着・長衛小屋テント場 設営・就寝 |
| 登山日 | 04:30 | 起床・出発 |
| 登山日 | 08:30頃 | 仙丈ヶ岳 山頂(3,033m) |
| 登山日 | 11:30頃 | 北沢峠 帰着・テント撤収 |
| 登山日 | 13:00頃 | バス乗車(戸台パーク行き) |
| 登山日 | 13:55頃 | 戸台パーク 着・帰路 |
| 翌日以降 | — | 予備日(悪天候・体調不良時の予備) |
日帰りパターン
戸台パークの始発バス(5:45発)を利用する想定で、ざっくり以下の組み立てになる。
| 時刻 | 行動 |
|---|---|
| 5:45 | 戸台口発 |
| 6:40頃 | 北沢峠着・登山開始 |
| 10:00〜10:30頃 | 仙丈ヶ岳山頂着 |
| 11:00頃 | 下山開始 |
| 13:30〜14:00頃 | 北沢峠着 |
| 14:00または16:00 | 北沢峠発バス乗車 |
休憩・撮影時間を含めると、登山口出発から下山まで7〜8時間程度を見込む。下りの最終便16:00を絶対の上限として、逆算した行動計画を組む。
下山が遅れた場合に備え、北沢峠で1泊できる山小屋(長衛小屋)の存在を念頭に置いておくと安心だ。
費用概算
小仙丈尾根コースを2026年に登る場合の費用目安を、3パターンで整理する(1名分・自宅〜戸台パーク間の交通費および装備購入費は除く)。
パターンA:日帰り(戸台パーク発・当日往復)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 南アルプス林道バス(戸台パーク〜北沢峠 往復) | 2,300円 |
| 手荷物料金(18L以上のザック・往復目安) | 約440円 |
| 戸台パーク駐車場 | 1000円 |
| 行動食・昼食・飲料 | 約1,500円 |
| 合計(駐車場除く) | 約5,240円 |
パターンB:テント泊1泊(長衛小屋キャンプ場)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 南アルプス林道バス(戸台パーク〜北沢峠 往復) | 2,300円 |
| 手荷物料金(18L以上のザック・往復目安) | 約440円 |
| 戸台パーク駐車場 | 1000円 |
| 長衛小屋キャンプ場 テント泊(1泊・大人) | 1,000円 |
| 食事(自炊・行動食2日分込み) | 約2,500円 |
| 合計 | 約7,240円 |
パターンC:小屋泊1泊(長衛小屋・素泊まり)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 南アルプス林道バス(戸台パーク〜北沢峠 往復) | 2,300円 |
| 手荷物料金(18L以上のザック・往復目安) | 約440円 |
| 長衛小屋 1泊2食付き(大人) | 10,100円 |
| 行動食・昼食 | 約1,500円 |
| 合計 | 約14,340円 |
金額は2026年5月時点の確認値。山小屋・バス料金は改定の可能性があるため、出発前に各公式サイトで最新情報を確認すること。
事前チェックリスト
| 確認事項 | 期限 |
|---|---|
| 2026年バス時刻表確認(利用日の始発・最終便) | 6月以降・随時 |
| テント場は先着制のため到着時刻を計算しておく | 出発前 |
| ザック18L以上の場合はザック料金(220円/片道)を準備 | 出発前 |
| バス最終便の時刻確認(下山時刻の逆算) | 出発前日 |
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登山口 | 北沢峠(2,032m) |
| 唯一のアクセス手段 | 戸台パーク発・南アルプス クイーンライン(バス) |
| 山梨側の現状 | 2019年台風19号以降、通行止め継続(広河原〜北沢峠) |
| バス料金(戸台パーク〜北沢峠) | 大人片道 1,150円 |
| 上り始発 | 5:45 戸台口発 |
| 下り最終 | 16:00 北沢峠発 |
| 小仙丈尾根コース | 距離8.9km・累積標高差約1,124m・標準6時間55分 |
| 日帰り費用目安 | 約5,240円(駐車場除く) |
| テント泊費用目安 | 約7,240円(長衛小屋キャンプ場) |
| 小屋泊費用目安 | 約14,340円(長衛小屋 1泊2食付き) |
計画の起点は、戸台パーク発バスの時刻だ。北沢峠への入口は長野側の一本しかなく、2026年も山梨側からのアクセスは閉ざされたままで、これが当面の前提になる。
行程設計の核は、下り最終バス(16:00 北沢峠発)の存在だ。日帰りで小仙丈尾根を周回するなら、ここから逆算した行動時間の設定が必須となる。万が一の遅延・天候悪化に備え、北沢峠の長衛小屋キャンプ場を予備プランとして念頭に置いておきたい。テント泊なら予約不要・1,000円で、計画変更にも柔軟に対応できる。
仙丈ヶ岳は、稜線から北岳・甲斐駒ヶ岳を同時に眺められる山だ。3つのカール地形を擁する穏やかな山容は、南アルプスの女王の名にふさわしい。
※情報の出典:
南アルプス クイーンライン(北沢峠線)時刻表・伊那市公式(2026年5月確認)
2026年(令和8年)南アルプス林道バス・伊那市公式(2026年5月確認)
2026年度 南アルプス登山バス・南アルプス市観光協会公式(2026年5月確認)
YAMAPモデルコース「北沢峠-仙丈ヶ岳 周回コース」(2026年5月確認)
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