なんとなく話題になっているのは知っていた。でも、見に行く理由を作れないまま、気づけば公開から数ヶ月が経っていた。
今日、ふとした拍子に「まだ上映してるんだ」と知って、なんとなく席を予約した。特に期待値を持たずに入った映画館を出るとき、思いがけず胸の奥が熱くなっていた。
日本最古の物語「かぐや姫」と、仮想空間・VTuber・ボカロ文化を組み合わせた作品。設定だけ聞くと盛りすぎに思えるかもしれないが、映画の中では不思議なほど自然に溶け合っていた。引き込まれた。
音楽がとにかく良かった。ryo(supercell)、40mP——昔から聴いてきたボカロPたちの名前が並んでいる。古い曲も多く、懐かしさと現代の映像美とアレンジが重なって、ただの「懐かし映画」とは全く違う体験になっていた。
エンディングに「ray」が流れた。
BUMP OF CHICKEN feat. 初音ミク。2014年リリース。バンドとして初めて他アーティストとコラボした曲で、初音ミクにとってもクリプトン公式による初の他アーティストコラボだった。あの頃、その事実だけで十分すぎるほど話題になった。
同年7月、東京ドームのWILLPOLIS 2014ファイナルで、初音ミクが360°ホログラムとしてステージに現れてBUMPと共演した。あの夜、自分もその場にいた。5万人の中の一人として、ダイヤモンド型のセットに浮かぶミクを見上げていた。
あれから12年。その「ray」が、仮想空間を舞台にした映画のエンディングで、TAKU INOUEによる新しいアレンジとともに流れた。
ホログラムで現れたあの夜のことを思い出した。技術が変わって、時代が変わって、でも「リアルとバーチャルの境目に立つ」というあの感覚は、ずっとつながっていた気がした。
東京ドームの記事ではありませんが、こちらもどうぞ。 www.nixietrailsupply.com
『超かぐや姫!』は今も上映中。Netflixでも見られる。
まだ見ていない人には、とりあえず「音楽が好きな人なら刺さる」とだけ言っておく。
ではでは。
